シリンダー数は少ない方が、、、
まず、車体にとって大事なのは、どのくらいの重量を、どのくらいの速度域で、どんな場所を走るか？の部分。これで、負荷に見合った機関の出力が決まってくる。
これが最初。ただ、その機関をどんなシリンダー構成で作るか？というのは企画者次第ともいえる。一般には小さい機関で無理して出力を望めば、回転数を上げるしかないので、それに見合った構成となったりする。
ただ、現状では全域高性能というのは実現出来ない。トレードオフの部分が必ず存在しているもの。
だから、高出力を望まない構成の方が、楽しいかも知れない。一回の爆発で取り出されるトルクはシリンダーが小さい程、弱いのも事実。一回の爆発でしっかりトルクが取り出せる大きめのシリンダーというのは、それはそれで魅力的。
基本は、気筒あたりに適切な容積が確保されていれば問題無いのだが、シリンダーあたりの理想的な排気量っていうのを決めるのは簡単なようで簡単でない。
以前もHP内に抜粋的な記事で紹介した事があるけど、プラグ着火エンジンなら想定回転数毎に、燃焼を司らせる時間が決まってくる。更に、圧縮状態からの火炎伝播速度も決まっている。つまり、想定される回転数毎に火炎が時間内に燃焼出来る距離が決まってくるので、想定回転数毎にエンジンボアが決まるのは、強ち間違いではないのだ。
ボアが決まるとストロークを決めるけど、ストロークの上限は、想定される回転数における油膜を介したリングとシリンダーの摺動速度の限界以下で定めるモノ。回転数が高ければストロークは短くなるし、回転数が低ければストロークは長くなる。
その想定する回転数で、如何ほどのトルクを生み出す事が必要か？というのは、動かす重さ次第。そして、望む回転数の幅はギア比の幅で、動かす物体を、どの程度の速度域で使うか次第である。
詳細はサイト内の記事に譲るとして、4サイクルエンジンなら1シリンダーあたりの容積は、15000rpm辺りを許容するなら250cc/cyl、10000rpm辺りを許容するなら400cc/cyl、7000rpm辺りを上限とするなら500cc/cyl辺り、6000rpmなら800cc/cylでも大丈夫だろう。
一般公道で走るなら、回転数の幅は上限で7000rpmも回れば十分。ならば、もしかしたら1000cc程度の車両は2気筒で十分かもしれない。今の1000ccといえば、4気筒が主流。最近はヤリスのような3気筒もあるけど、実際は2気筒で十分かもしれない。軽四といえば660cc、昔は4気筒も居たけど、今は3気筒が多い。でも、軽四なら2気筒の方が良い気もする。昔、REXの550cc最終で二気筒のモデルに乗っていたけど、あれは振動は兎も角良く走った。軽トラならバルカンエンジン搭載のポーターキャブも550ccの2気筒だけど、結構トルクフルだ。
単車でも個人的にはツインで十分と考えている。実際、何の不満も無い。ツインはマルチよりもトルクフルで実際、乗り易い。上の回転域勝負になると勝てないけど公道なら全然OKである。
そう考えると、1000cc以下の四輪は全部ツイン、1500ccクラスなら3気筒、いや、1800cc迄3気筒で十分のような気がする。2000〜3000ccクラスも4気筒で十分な気もする。排気量が大きくなる分トルクが余るのでギア比を上げて低回転で走れるようにする。その方がシンプルでトルクフルで燃費が良いのではないだろうか？
最近はスカイアクティブXとか、可変圧縮比とか、或いは色んなハイブリッドとか、複雑な技術てんこ盛りだけど、極力シンプルにして回転数を上げさせないゆっくり走り前提で、シンプル、軽量、コンパクトで作る方が、案外、実効的な効率は勝るエンジンが出来るのでは無いだろうか？
6気筒ともなると3500cc以上、そういうラインナップで良いような気がする。エンジンの回転数を抑えて組みあわせるならば、効果な動弁機構も不要。個人的には1200cc以下がツイン、1800cc以下がトリプル、3000cc以下で4気筒、ヘッドは全部2バルブOHVで十分。上は回さず、1200ccなら50〜60PS程度、1500ccなら70〜80PS程度、1800ccでも100PS程度、2000ccで120PS程度、しかし、どのクラスもアイドリングスタートで力強く走るような低回転志向で作る、、、、エンジンは極力回させない。そういう方が良いかも知れない。
シンプル、軽量、コンパクト、、、、車体の搭載も楽だし、故障も少なそう。長期的に考えると資源の節約にも繋がる。
高回転、高出力、高効率、、、、仕様スペックの上で競うのではなく、実使用での性能を追求するような方が良いような、そんな気がする。
今の愛車BT1100は、1100ccでツイン。馬力は60PS程。しかし、普通に乗ってSV650とかガンマに後れを取る事はない。全く十分。必要以上の性能がある。何より、エンジンを回さないで走る。これ程楽なのは無いのだが、、、、