ここは、センターラインが有り、片側でも5m近くある広い国道である。コーナーの角度は殆どが30゜程度、回り込んでも45゜程度の道だ。下り勾配であっても、6th全開、11000rpmでも車体のバンクは全く不要である。前走するSR400、ZRX1100を追走するが、殆ど追いつかない。45゜150R程度のコーナーでも直線部分が殆ど無い部分では、突っ込みで追いついて、立ち上がりで並び掛けることが出来る。が、立ち上がりの瞬間では、大型車がアクセルを開けると離される。歯がゆい、こっちはシフトワークもくそも無い。6th全開アクセルは完全固定である。このような道では、2stなら最低125cc、4stなら単気筒250cc位は欲しい。限界点が低い。でも馬力差で10倍あったとしても、下りの曲がりでは縦横無尽のライン取りが可能なので、余程ストレートが長くない限りはある意味十分である。ただ、曲がりで抜いても真っ直ぐで追い付かれるのはストレスである。

　更に走り、今度はセンターラインの無い、全体でも幅4m程度の道である。直線は長くても50m、コーナーはおしなべて60゜以上の回り込み、10Rから30R級の道である。2stミニでさえ、3rd、4th迄の道である。路面は、通りが少ないためか結構荒れている。ところどころ、湧き水で濡れているところもあるようだ。軽量な車体、短いホイールベースのせいか、路面がワイドに感じる。このセッションの入り込みはブラインドである。出口が見えない右コーナーである。Inに寄せすぎるのは対向車の存在からもリスキーである。Outからクリップをどこにするか迷いつつ、十分な減速を行う。3rdから2ndへのシフトダウンである。ブレーキングは軽く行うのみである。コーナーにある程度入ると、出口が見える。出口の先は曲率の緩い左、右、左と続いているようである。この渓谷沿いでは、その先迄が見渡せる。対向車はいないようである。バトルモードである。対向車がいないのを確認すると、その次の左、右、左を直線的に加速できるように、最初の右コーナーのクリップを決める。クリップを通過すると、アクセルはフルオープンである。2ndは直ぐに吹けきり、3rd、4thと忙しくシフトアップを行う。クラッチは使わず、アクセルコントロールのみでシフトを蹴り上げていく。Ｓ字の最終区間に到達するころ、前方は、若干の上り勾配で、180゜近くに回り込んだコーナーがある。その先はブラインドである。曲率は狭いものの道幅が若干広く、ラインの自由度は大きいようだ。Ｓ字のエンドからコーナーまでの距離は約15mといったところか？4th、3rdまでシフトダウンを行うと、2ndでは吹けきるような微妙な曲率である。で、シフトは3rdを選ぶ。バンキングを開始する。右側ステップを思いっきり踏みつける。と同時に軽量な車体は一気にバンクする。アクセルON、、、。パワーが乗らない、回転数で、5500rpm迄ドロップする。半クラをあてて、回転数を7500rpm迄立ち上げる。駆動力はクラッチワークで調整する。完璧である。ブラインドコーナーであるので、ラインはOut-Center-Outである。立ち上がると再度、ブラインドである。道幅は同じような状態、曲率も同じような状態であろうか？迷う間もなく、次のコーナーである。左コーナーの進入はInサイドから進入を試みる。Inサイドべた付けのまま、コーナーの出口を伺う。出口の先には、対向車もいない。チョットした直線である。Inサイドべた付けからOutを目指して加速する。3rd、4th、5th、、、。速度計は３桁に届こうとする。直線に入ると今度は若干の下り勾配である。右になだらかなコーナー、その先は逆バンク気味の左の落ち込むようなヘアピンである。対向車もいない。最初の右コーナーを捨てコーナーとし、その次の左のヘアピンに焦点を合わせる。左コーナー用の姿勢のまま、右コーナーを減速しつつ通過する。右コーナーでは若干の右バンクを保ち、シフトダウンを完了する。2nd7000rpmである。パワーバンドの少し手前か？ヘアピンでは、一気に左に車体をバンクさせる。2nd6000rpm迄、回転が落ちる。が、下り勾配であるため、問題は殆ど無い。加速はやや鈍いが、十分である。蝶のような切り返しを行い、コーナーを立ち上がる。自己に浸りながらしばらく軽快に走る。おっと！道が二手に分かれている。後続を待とう。単車を止めて、ヘルメットを脱いで、一服しようとたばこに火を付ける。天を仰いでしばらくいると、後続車両が追い付いてきた。

　帰りの道では、誰一人マグナム80の前を走ろうとはしなかった、、、、。スポーツ、速さを言うなら、基本的なところからステップアップした方が、面白いのではないの？っていうのが少しは理解して貰えたのだろうか？

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