排気音
これまで、差程意識してこなかった。好きも嫌いも無かったんだけど、長い間二輪車に乗ってくると、やっぱり好き嫌いってのが出てくる。
好きな排気音、これは、、、直列六気筒のジェットサウンドとも言える排気音。空冷六発CBXの軽いながらも途切れの無い排気音、一度聞いただけで記憶に鮮明に残っている。四気筒のバイクとは全く異なる排気音である。連続的な音で途切れない排気音、そして高音質。排気音に濁りを感じない咆吼的なサウンドは最高である。
低回転でも六気筒が緻密に爆発している繊細な感じを受ける。
CBXというと、前期、後期で車体のキャラクターは大きくことなるけど、エンジンは基本的に共通。どっちのCBXもとってもカッコイイし音も最高である。
ならば、同じ多気筒エンジンで一般的には排気音が好まれている直列四気筒はどうか？というと、やはり六気筒より一音階程、音が低いように感じるし、咆吼とは呼べない不連続の排気音に聞こえる。連続と不連続の間、爆発音が干渉しているかのような濁りを感じる。マフラーを変えると低音の迫力ある音となるけど、甲高い音が好みの自分からすれば、どちらかと言えば下品な音に感じる。全開時の音も突き抜ける感じを受けない。小排気量で超高回転型となると咆吼的にも感じるけどメカノイズが混じるためか六気筒のような澄んだ咆吼音とは違うように感じる。低回転では、明らかに不連続な状態でゴロゴロしている感じが伝わってくる。
人気があるのも理解出来るけど、個人的には違う。
直四＝高回転型だけど、上に回る程、回転が突き抜けるよりも、回り方が詰まってくるような印象が強い。この辺が六気筒とは違う印象。
同じ四気筒でも直四よりもＶ型四気筒では印象は違う。低回転から高回転迄、明確に不連続というか不規則な排気音だけど、その不規則さは不快なものではない。直四は排気音は規則的だけど連続という程に繋がっている訳ではなく、結果、澄んだ音とは異なる濁った連続音にしか聞こえない。濁った連続音は騒音的に聞こえるのだが、Ｖ型四気筒では連続的では無いけど、音には脈動的なパルス感を感じる。このパルスを伴った排気音は、機械的な音とは異なり騒音とは感じないのが自分の印象である。
澄んだ音は大好きだけど、ざらついた濁った音は好きじゃない。しかし、脈動を伴うパルス的な音なら生き物的に感じて嫌いじゃないのである。Ｖ型四気筒では400cc、750ccでVF/VFRに乗ってきたけど、何れも音は気に入っていた。将来的に愛車選びをすると、確実にＶ４エンジン搭載車がピックアップされる。VF系がデビューした時は音が独特ということで、直四程の人気は得なかったけど、自分の評価は逆。Ｖ４でも直四に近付けた180°クランクのモデルよりも、明確なパルスを聞き分ける事が出来た360°クランクのＶ４が好きだ。
二気筒ならどうか？
自身、一番最初に乗った二気筒は180°クランクのパラツイン。CB125Tの初期型だけど、180°クランクツインで高回転型という当時の触れ込みを今でも覚えているが、高回転迄回るけど、苦しげに回るという印象しかない。苦しげに回るが故に、回し続けると壊れるのでは無いか？というのが印象である。因みに、試験場で最初にのったのがGS400だけど、こちらも180°クランクのパラツインである。この系統のエンジンの特徴、当時は気付かなかったけど、後に何台もの180°クランクパラツインを乗って思ったのが、排気音は共通の特徴があるのだ。ホンダではCB125T、ヤマハではGX250/XS400E、スズキではGS400/GSX250/GSX400E、カワサキではZ250FT/GPZ250改305/GPX250R/GPZ400Sと乗り継いだのだが、何れも音が独特。低回転ではドルドルドルドル、、、、高回転ではパルルルルルル、、、って音。連続的な排気音とも聞こえない。とか言って、パルスを伴う排気音とも言えない。口で表現するなら舌を口の中で巻いて振動させるかのような音である。ツインで高回転型、高回転迄回してパワーがあるか？といえば、そうでもない。音は何処までも濁った状態、それ故に、壊れてしまうのでは？という印象しかない。っていうのは、連続高回転使用で複数台のエンジンを終わらせた経験がトラウマになっているのだろう。
同じパラツインでも中低速向けと呼ばれている360°クランクの方は悪い印象がないのだ。排気音は明確に連続的な音。不規則さが無い。低回転ではトトトトトト、、、、って感じ。排気量が大きければドドドドドド、、、、である。高回転では規則的な爆発故に連続的な排気音でバーーーーーーである。パワーの多少は180°クランクと差異は感じないけど、音は圧倒的にこちらが好き。CB250T/CB400Dとホーク系のエンジンが大好き。XS650SPLも良かった。近年のモデルだとW650/W800を試乗車で乗ったけど気分の良い牧歌的なエンジン。パラツインの音で言えば、圧倒的に360°クランクだ。180°クランクのエンジンが大流行だけど、その音の時点で買う事はない。
ただ、ツインなら連続的な音と同じくらい好きなパルスを伴った脈動的なエンジンである。不思議なもので180°クランクの不連続さは許せず、Ｖ型エンジンの不連続さは好みなのだ。これは不連続の間隔差が効いているのだろう。Ｖ型エンジンはドドッドドッドドッドドッ、、、って聞こえる。180°クランクではドルドルドルドル、、、、である。この違いはデカイ。Ｖ型では生き物的な脈動に感じ、180°クランクでは濁った騒音にしか聞こえない。Ｖ型二気筒では、GL/CX、XZ400/550D、SV650S、BT1100と選んできたけど、何れの排気音も凄く好み。アクセルを開けた時の地面を蹴るような感覚と排気音のリズムのシンクロが堪らない。これは所有未経験だけど直六のジェットサウンドの次に好きな音である。
エンジンの基本といえばシングル。これ、リズムも糞も違いは無いけど、これは全部好き。濁りは無いし、爆発音もしっかり聞こえる。基本の音、、、それだけでＯＫだ。
因みに、２ストロークは基本、全部好き。パラツイン、タンデムツイン、Ｖツイン、全部ＯＫである。でも一番好きなのはスクエアフォーだろう。チャンバー交換しても突き抜けるような高音ではないけれど、連続的なジェット機のような音、大変好みである。２ストロークではチャンバー交換してからの、パァーンって排気音が堪らない。