高齢者が悪いのか？
高齢者による暴走事故、後を絶たない。
プリウスにのった元官僚の運転者、母子の乗る二人乗り自転車を跳ね飛ばして殺した痛ましい事故が記憶に新しい。
この事故で、高齢者危険、免許返納、、、、といった事が話題に上っている。
ただ、高齢者だから危険というのは如何にも単純。高齢者であっても様々である。高齢者でも認知症を患っている人、運動能力に差し支えのある人は確かに危険だけど、全ての高齢者がそうだとは言いきれない。
高齢者による逆走事故、踏み間違い事故が起こる度に、高齢者はサッサと免許返納という話しになるけど、それもチョット違う。
結局は、後期高齢者の方の免許更新時における認知症検査ではないけど、適性検査を形だけでなく、実効的な意味を持たせて行うべきというのが一番正しい方法だと思う。
今回の元官僚の事故ではないけど、2016年に大阪梅田で黒いプリウスが歩行者を次々と跳ねて突っ込んだ事故があった。この事故では51歳の運転者男性、と50代の歩行者も亡くなっている。運転者は会社経営の男性でSNSにも自身の私生活をアップする活発なラーメン好きな人。しかし、食べ過ぎ、肥満、生活習慣病、急激なダイエット、、、、持病を抱えて死因は大動脈が破裂したとも言われている。
これって、単なる高齢ドライバー以上のリスクである。
高齢者で認知機能が衰えた人が運転すべきでないのと同様に、このように血管系の疾病を罹患している人も同様に運転すべきでないともいえる。現在、疾病系で運転資格が維持できなくなるのは、『てんかん』という病。てんかん発作による事故といえば、京都祇園での軽ワゴン車暴走事故が記憶に残っているけど、他にも大阪で5人の死傷者を出した重機事故も印象的。
てんかん発作による事故リスク対策同様に、生活習慣病による血管系疾病によって意識を失う可能性のある人も同様に運転を制限させるのがホントは必要なのではないだろうか？
血管系といえば、血圧測定で判定可能。免許更新時において血圧測定を行う。普通の高血圧程度で判断すれば免許が更新できなくなる人の方が多そうだけど、命に関わるような超高血圧、例えば、上が200mmHg以上、下が100mmHg以上となるような人は免許更新させないので良いとも思える。可能ならば、体重測定もセットで判定すれば肥満等が原因で心臓に負担が掛かっている人の免許更新も制限できるのではないだろうか？
免許更新ができなくなって失効というと、世間の反対も少なく無いだろうから、免許効力停止処分で、健康が改善したら効力再開出来るようなシステムを提案するのも手である。
現在、免許更新では適性検査で視力検査と簡単な手足ブルブルだけである。
これを改めるべきだろう。
高齢者向けの認知症検査もこれまで通りしっかり行い、血圧、体重測定で健康状態に意識喪失のリスクのある人の免許効力の一時停止も行うべきだろう。
更新の場で域なりの効力停止がNGならば、期限付きで医師の診断書持参で更新可能にするとか、期限付き再検査で判定するとかすれば問題無い筈だ。
色々な事故を見て思うのは、免許更新時における運転適性の評価を実効的なモノとする事だ。
後は、度々、ブログ等でも記載しているけど、誰でも簡単に動かせるような車を普及させるのも考えものである。
安全のために、人や物にぶつからないようにする。自動ブレーキだとか、車線保持機能だとかは、大賛成である。
停まる機能の自動化は大賛成なのだ。
しかし、
走り出す機能の単純化は、どちらかと言えば反対である。
アクセルを踏むと簡単に誰でもスピードが出せる、、、これは間違い。自動運転と併せるならば、AT的な運転は完全に機械任せにするというならばOKだけど、運転を運転者の自発的な意志に任せるのは、考え直すべきとも思える。
車という鉄の箱を動かすには、相応の技量があって然るべき。アクセルを踏むだけでスタートしてトップスピード迄、、、、これが問題だろう。運転者の好き勝手に速度が出せるのであれば、運転は従来通りにMT操作で無ければ走れないようにすれば良いとも思える。
3ペダルのMTであれば、協調操作が出来なければ発進も変速も停止も出来ない。坂道発進も然りである。今時の坂道発進サポートも御節介に過ぎない。
他には、運転が楽すぎて、ながら運転だらけ、結果、スマホ運転で交通事故っていうのも少なく無い。こういうのを無くすためには運転が楽すぎるのがNGである。ならば、MT操作に加えてパワステも無しにするのもアリだろう。ハンドル操作が出来なければ運転するなで良いような気がする。
運転が楽になり、便利な機能が普及するほどに、ドライバーに求められる運転者としての資質レベルが小さくなっているのが現状。
やはり、動かす事のリスクを考えると、直ぐ停まるように作るのは賛成だけど、動かすのは大変、、、、それが大事なように思う。
昨今の、高齢者だから運転免許は返納せよ！という単純な議論はチョット違うような気がする。高齢者だろうが無かろうが、運転適性に欠けていれば免許更新はNG、高齢者であっても正確な判断と迅速な行動が可能であれば、全く問題無いとも言える。
その辺をしっかり踏まえて良い制度が出来るのを期待したい。