単車を目の敵
二輪車に乗っていると、意味不明で挑発してくる四輪と出会す事がある。
傾向は、基本的にハイパフォーマンススポーティーカーが多い。セダン、ＳＵＶ、ＨＢ類は少な目。ただ、ハイパフォーマンスでもスポーツカーをカスタマイズしたチューンドカーも少な目。
外装を純正系ＯＰでドレスアップしたスポーティーカー系が多い。更に、国産車よりも欧州車に多い。
そして、比較的高額車両が多いけど、面白いのは超高額車両では存在しない。価格帯的には、400〜800万円程度だろう。1000万円オーバーのスーパーカー系では居ない。
欧州車に多くても、面白い事に超高額となるフェラーリ、ランボルギーニ、マセラッティでは遭遇した事がない。多いのは、入門クラスのＢＭＷ、ポルシェが多い。ＢＭＷなら、昔なら３シリーズのクーペ、今なら２シリーズのクーペ、Ｚシリーズのエントリークラス、ポルシェならボクスター、ケイマン〜水冷の無印カレラくらいで、どちらかというと、一世代〜二世代前のモデルが多い。
興味深い事に、７シリーズとか、Ｍ（Ｍ３、Ｍ５といったＭ＋数字一桁）のＢＭＷとか、ポルシェのターボ車で、そういうのは見た事が無い。
ドライバーは、基本、裕福だろうけど、二輪、四輪の事は、それ程詳しいようには見えない。今まで見て多いのは、御婦人、比較的若いオジサンというパターン。
車単体で見ると、コンパクトで強力なエンジンを搭載したスポーティなモデルで、確かに四輪車の範疇では優れた動力性能の魅力的なモデルだと思う。ただ、個人的な印象では、ラインナップの中のエントリーの位置付けで、トップレンジの本格的なモデルのような存在感ではなく、モデルの世代交代に応じて、魅力と価格の下落の激しいモデルのように見える。そういうブランドに拘った人が選ぶモデルとも違う。ポルシェの空冷９１１とか、ＢＭＷならＥ３０のＭ３、Ｅ３６のＭ３といったモデルではない。今時ならポルシェなら型遅れの水冷９１１が上限だし、ＢＭＷなら一世代前のＭ２３５ｉ、Ｚ４辺りが上限。
それ故に、そのモデルがホントに好き？というと、そんな感じを受けないのも確か。
傍観者的な感想では、取り敢えず、手の届く範囲で、それっぽい形とパフォーマンスのモデルを調達しました的なイメージで、単車購入に置き換えると、型遅れのＳＳ買ったり、シリーズの中間グレードを買うような印象に近い。
つまり、詳しい訳でも、拘っている訳でもない印象。何となく、手頃でカッコイイから買いました的な印象だけど、モデルのパフォーマンスに錯覚しているかの印象なのである。
ここ二三年で、遭遇した時の運転パターンは、基本、二輪車に挑発的な運転が多い。
信号待ち等で並んだら、突然、ふかして幅寄せ的な加速をしたり、前方で突然ゆっくり走り出して、追い付いたら、いきなり急加速して、、、、を繰り返したり、一番質の悪いのは、突然、停止するかの如くゆっくり走って、追い越し可能な場所（追い越し禁止外区域）で追い越すと、猛然と追っ掛けてきたり、、、、、、そして、場所は100％が市街地である。ストップアンドゴーの多い街中で、信号と信号の間隔が200m程度の場所か、それに準ずるような生活道路的な場所に限られる。高速道路とか、或いは、峠道とかではない。そんな場所で遭遇した事は一度もない。
車のパフォーマンスを誇示したがるかのような運転が多いのだけど、普通、二輪車に挑発するか？と、いつも思ってしまう。確かに、コンパクトな車体に３Ｌクラスのエンジンが乗っていれば速いかもしれないけど、コンパクトとは言っても1500kg越えの車体である。ストップアンドゴーの繰り返す場面、或いは、生活道路のような場面で、なにがどう間違っても、欧州の入門クーペが二輪車を追い回せる筈は無いのだが、そのような運転をするというのは、二輪車がどんな動力性能を持っているか？が判らないのだろう。
そういう車が、そんな場所で煽れるバイクといえば、、、クルーザー系、アメリカン系、排気量的に現代の250cc以下のモデル程度だろう。
基本、そういうのと遭遇するとスルーだ。面倒臭いから先に行かせたり、ルートを変えたりするけど、幅寄せされたり、或いは、兎に角車間距離を詰めて迫ってきたりとか、あまりに感じが悪かったり、執拗だったりすると、サッと消える前に、少し遊んでしまう事もある。
今までで、最も印象的なのが９９７型ポルシェに乗ったオバサンで、気配で後方から接近していたのを察知していたので、ミラーで見ていると、中小排気量のバイクに信号待ちで横付けして覆い被せるような加速を繰り返して接近してきて、自分の乗るＳＶにも同様に横付けして停車。ドライバーが真横で作り笑いでこっちを見ていたので、一気に消えたけど。バックミラーの中では猛然と加速してくる様子を見て笑った事がある。確かにポルシェは速いかもしれないけど、街中でのスタートで単車に挑発しかけ続けても、無理でしょ的な印象を受けた事がある。
他にも、ＢＭＷの２シリーズが制限速度30km/hの道で、5〜40km/hで加減速運転していたので、追い越し禁止解除エリアで先行したら、やはり猛然と追っ掛けてくる。まぁ、場所的にアップダウンの激しい区間だったので、後がどうなったか知らないけど、なんだか地面と擦るような音が聞こえて気の毒だったけど、ミドルクラスのバイクを挑発するのは、どう考えても無理。
ガンマで横断歩道待ちしていた歩行者のために、停止した時には、後方の古いＺ４が、執拗に吹かしながら接近してくる。歩行者が渡り終えた後は、スロースタートすると、相変わらず車間を詰めて迫ってくるので、数十メートル程、高いギアでオイルを溜めて走り、途中、ローでフル加速してスルーしたけど、逆に、白煙に気の毒な気になった事もある。
単車に乗っていて、なんか勘違い的にくる車、殆どが欧州のエントリークーペモデル。
こういう車を見ると、極力関わらず避けるのが一番である。正直、面倒臭い。